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「は!? な、なんで泣くんだよ!?」
「だ、だってぇ……うっぐすっ……綾翔ぉ……うえぇぇっ」
「おっ……おい……泣くなって。ほら!」
綾翔は優しく頭を撫でてくれる。
私はギュッとキーホルダーのくまを握りしめて、ポロポロと涙を流す。
「綾翔……ありがとう……」
「いや……」
先輩に買って貰った帽子、斎藤くんから貰ったリボン……そして、綾翔に貰ったくまのキーホルダー。
やっぱり……
「このプレゼントが……一番だよ……」
そう言った私の言葉の本当の意味は、綾翔には……
「……は?」
「あ、ううん。なんでもない! ありがとう……綾翔」
伝わることは――ない。
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