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え……えええっ!?
斎藤くんはそう言い残して、佳奈を連れて部屋を出ていく。
少しして、二人の「お邪魔しました」の声が聞こえ、扉がガチャっと音を立てた。
「え、えええ……斎藤くん……あ、あのぉ私は大丈夫なんでぇ……」
そう言ってバックを持ち、立ち上がろうとすると綾翔が私の腕をギュッと掴んだ。
「な、なに?」
「いい。送る。今着替えるから待ってろ」
「う、うん……」
綾翔はタンスを開けてコートを取り出して着替え始める。
綾翔の家とはそんなに遠くはないから、送ってもらうような距離ではないんだけど……。
綾翔に――送ってもらえるなんて、なんだか久しぶりで嬉しいよ……。
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