第4章 幸せはここに

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この前も今回も言えなかった。 だからきっと次もそのまた次も、次も……きっと、言えない。 伝わらないんだよ……。 「じゃ、もう寒いからバイバイ綾翔」 「…………」 「……綾翔?」 綾翔は黙ったまま私に近づいてきて、家の段差で綾翔の方が小さくなり、私を見上げる体勢になる。 「真緒」 「な、なに……?」 「ずっと前、お前に言おうとしてやめたの覚えてるか」 「あ、うん。7月くらいの時だよね」 綾翔は静かにコクリと頷く。 「あの時、なんて言いたかったの?」 「教えてほしいか?」 「そりゃあ……教えてほしい、けど……」
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