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私たちはそれを目指してお昼に待ち合わせをしたのだ。
普通なら……朝はどこかに行って夜にイルミネーションを見るのが普通なのかもしれない。
でも私は「お昼に待ち合わせにしませんか」と先輩に言った。
もちろん先輩は嫌なんて言わない……。
電話越しでも、先輩が笑顔で受け答えをしているのがわかって……なんだか、胸がキュッと締まったような気がした。
「バスはもう少しで来ちゃうみたいだから急ごう」
「あ……はい」
先輩は私に手を差し伸べてにっこりと微笑む。
雪に反射した太陽の光と先輩の笑顔が重なり、とてもキラキラしていてドキッとする。
私はためらいながらも先輩が差し伸べてくれた手に、そっと自分の手を乗せた。
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