第4章 幸せはここに

20/93

1449人が本棚に入れています
本棚に追加
/845ページ
私たちはそれを目指してお昼に待ち合わせをしたのだ。 普通なら……朝はどこかに行って夜にイルミネーションを見るのが普通なのかもしれない。 でも私は「お昼に待ち合わせにしませんか」と先輩に言った。 もちろん先輩は嫌なんて言わない……。 電話越しでも、先輩が笑顔で受け答えをしているのがわかって……なんだか、胸がキュッと締まったような気がした。 「バスはもう少しで来ちゃうみたいだから急ごう」 「あ……はい」 先輩は私に手を差し伸べてにっこりと微笑む。 雪に反射した太陽の光と先輩の笑顔が重なり、とてもキラキラしていてドキッとする。 私はためらいながらも先輩が差し伸べてくれた手に、そっと自分の手を乗せた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加