第1章 最後の思い出

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見事にヒットしたせいか、斎藤くんの頭がガクッとなる。 それから俯いて垂れ下がった髪の毛の間から鋭い瞳が覗く。 「河井さん。容赦ないよね」 「そ、そうですかね……」 「そしていい度胸だよね」 斎藤くんは体を起こし、髪の毛をサッと右手で直すと、私の方に迫ってきた。 何かを感じた私は、後退りをすると、後ろの壁に行き詰まってしまった。 「河井さん。お仕置きが必要かな……いたいな頭」 「ごごご、ごめんなさいです!」 斎藤くんは両手で壁に手をつくと、顔を近づけてきた。
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