第4章 幸せはここに

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「寝ろ。今すぐ寝ろ。10秒以内に寝ろはい10ー!」 「ええええっ!? 10秒以内とか無理――」 「はい9ー! 8ー!」 「きゃああああっ」 綾翔が数字を数えている間に私は急いでベッドの中に潜り込む。 綾翔のベッド……綾翔の匂いがする……! 「よし。そのまま寝ろ。口も目も開くなよ陽が昇るまでな」 「……!」 酷い! そんなに長い時間開けないとか死んじゃうんだけど!? カチッと音と共に部屋の電気が消えるのがわかる。 まぶたの向こうが真っ暗だ。 私はうっすらと目を開けると、雪明かりで部屋の中が明るかった。
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