愛恵物語

第４章 幸せはここに

神社には何人か中学の時の同級生や、いまのクラスメート達が何人か友達や彼氏彼女と歩いている。

やっぱりみんな、こういう行事に参加するんだなぁ。

「真緒ちゃん。少し寒いから、甘酒でも飲もうか」

「あ、はい！ 甘酒で温まりたいです！」

小さい時は嫌いだった甘酒。

でも毎年お母さん達に飲め飲めと勧められているうちに“あれこれ美味いんじゃね”と美味しさがわかるようになった。

「はい、真緒ちゃん」

「ありがとうございます」

先輩は甘酒を私に渡してくれる。

いつも……おごってもらっちゃって悪いなあ……。

端に寄って紙コップに入った甘酒をゆっくりとすすって飲む。