第1章 最後の思い出

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私は先輩の事を少し気にしながらアイスケーキを口に運んだ。 甘くて冷たいのが口に広がっていくのを感じた。 「あ、美味しい!」 「ほんと……美味しい」 アイスの上にストロベリーソースがかかっていて、甘さの中に少しのほろ酸っぱさがあって美味しい。 思わず笑顔になるほどだった。 「女の子は甘いものが好きだね。俺は嫌いじゃないけど、甘過ぎるのは苦手だな」 斎藤くんは微笑をうかべながらアイスを一口食べた。 「私も甘過ぎるのは苦手だな」 「そうなんだ? それ、結構甘そうだけど」 持っていたスプーンで私のアイスケーキを指し示した。 私は「そんなことないよ」と言うが、斎藤くんは「いや絶対くどい」と言ってまた笑った。
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