第1章 最後の思い出

37/90

1449人が本棚に入れています
本棚に追加
/845ページ
それから十分程度でみんな食べ終わり、少しだけ話して店を出た。 佳奈と斎藤くんとわかれ、綾翔と二人で家に向かった。 綾翔と私の家は歩いて三分程度の距離にあるので、いつも登下校を一緒にしている。 これは小学生の頃から変わらないのだ。 いつも一緒。 私にとって、とても当たり前で誰も代わることのできない存在だった。 「太陽傾いてきたねー。綺麗なオレンジだぁ」 「早く沈めばいいのに」 「どうして綾翔はそういう事言うのよ。もう少しさ「綺麗だな」とか言えないわけ?」 「言えねえ」 綾翔は建物の日陰から日陰へと移動して、太陽を避けるように歩いていた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加