第5章 想いの果てに

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「…………」 見てる。 確実に私を見ている。 「先輩」 「なに?」 「お先に失礼つかまする!」 「“す”じゃなくて――って、真緒ちゃん!」 私は猛ダッシュで路地へ路地裏へと走っていき、どこだかわからないうちに……。 「ついた……!」 目の前には本屋! ありがとう“アレ”さん……! あなたのお陰で私はついに本屋へとたどり着き―― 「河井さん」 「…………」 いや、気のせいです真緒氏。 で、でも今後ろからアレの声がしました! いや、気のせいです。気のせいですから振り向かないでください。 でもでも振り 「向かないといじめられます!」 「心の声が漏れてるよ河井さん」 「きゃああ! すみません斎藤くんアレとか言ってすみません!」 「い、いやそこは漏れてなかったかな」
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