第1章 最後の思い出

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 ここは自然ヶ丘にある一般的な公立高校の愛恵高校。  入学式から三ヶ月が経ち、今は七月でもうすぐ夏休みという時期まで来ていた。 「ねえねえ、綾翔」 「ん」 「今年の夏休みは海とか山に行きたいなって」 「寝る」  今は自習時間。  先生が居ないのを良いことにみんなお喋りをして盛り上がっている。  まじめに勉強しているのは、性格がまじめな人だけだ。  私は幼馴染である綾翔に今年の夏休みをどう過ごすのか聞いてみたけど……。 「どうして毎年毎年それを言うのよ。だめよ、海か山へ行きます。拒否権はありません」
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