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斎藤くんは本の題名をなぞる指を止めて、こちらを見る。
そして悪だくみをしているかのような顔で微笑み、私の腕を掴む。
あれ、斎藤くん復活!?
「じゃあ俺が教えてあげようか。問題を間違えるたびに河井さんは恥ずかしいセリフを言わなきゃいけないって罰ゲームだよ」
「なっ、なななななんですかそれ!」
斎藤くんは掴んだ手を離してくれず、体をジリジリ近づけてくる、
「さっ、斎藤くん!」
「却下」
「まだ何も言ってないーっ!」
そんなやり合いをしていた時、後ろからコツコツと足音が聞こえた。
振り向くと――
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