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綾翔より高い建物の上から、太陽の陽射しがはみ出していた。
「なに?」
「……あのさ……」
「うん?」
綾翔は何だか口ごもっていた。
何かを言おうと口を開いては閉じてを繰り返した。
「どうしたの?」
私がそう聞くと、綾翔は開きかけた口をまた閉じて前を向いてしまった。
「まだ、いい」
「……そう?」
「また、今度……言いたくなったら言うから」
綾翔は私に背を向けたままそう言った。
少しだけ見える綾翔の顔は夕日のせいなのかほんのり赤かった。
それから家につくまでの間、私たちは他愛のない話しをした。
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