第5章 想いの果てに

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本当は神社付近の林を残して木を伐採し、綺麗な花畑公園にしようなんて話しもあった。 でもお父さんが川で見たホタルに魅了されて中止。 だからって、丁度その時に生まれたお兄ちゃんに蛍ってつけるとか……。 そのお兄ちゃんは虫嫌いが激しくて、お父さんに見に行こうと誘われても無視してた。 「あ、河井さん誰かが手を振ってるよ」 「え? ……って、誰もいないじゃないですか!」 「見えないの?」 「やっ、やめてくださいいいっ」 「まあまあ。ついたよ」 斎藤くんが指差す場所には一軒家。 三角屋根で、薄い……う、薄い桃色の壁……? 街灯に照らされて見えるのは家の壁が淡い桃色……に、似合わない……。
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