第5章 想いの果てに

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「私はお姉さんかと思ったよ」 「あー」 あーって……斎藤くんと並んでたら普通に付き合ってるように見えちゃうけど。 もう40近いか過ぎてるかくらいの年って計算になるよね。 シワひとつない綺麗な人だったなぁ。 「河井さん、行こ」 「あ、うん!」 真っ暗で星が光る中で二人歩く。 通行人はあまりいなくて、雪を踏む音だけが聞こえる。 「…………」 「…………」 あ、あれ。 いつもなら何かされたり話したりするのに、今日は静かだな……。 えーと、何か話を切り出した方が……。 「……っ、河井さん!」 「えっ」 斎藤くんにいきなり腕を捕まれて、家と家の間に隠れる。
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