第5章 想いの果てに

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真っ暗な中、満天の冬の星空と月でキラキラ輝く雪の道の上を歩いていく。 「はー寒いねー早く春にならないかなー」 「あと2、3ヵ月待たねぇとなぁ」 「やだなー」 冬が終れば私たちは高校二年生かぁ。 この一年、すごくあっという間で……あっという間の中にいろいろあったな。 中学を卒業して高校に入学してさ、友達がたくさん出来て、海に行って、先輩と付き合って……。 綾翔を、好きになって。 「…………」 「…………」 付き合ってたら、こんな時に手を繋いだりできるんだよね。 別れ際にキスなんかして。 いいなぁ……そんなの。 そりゃ、先輩と手を繋いだりはしてるけど……キスはまだだし。
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