第5章 想いの果てに

55/94
前へ
/845ページ
次へ
今日、もしかしたら未亜ちゃんに本を買いに来たっていうのは口実で……。 出来るだけ親といないようにしたってことかな……。 「アイツ、いつもヘラヘラしててドSぶってるけど、実際はそうじゃねぇんだよな」 いつもいじめてくる。 ちょっかいかけてきて、冗談を言ってきて、ニヤリと笑ってくる斎藤くん。 でもそれは違う―― 「まーそんな感じでさ、家ではあんま心開けてないかもしれねぇからさ、学校とか放課後は一緒に騒いでてやろうぜ」 「そだね……」 斎藤くん……かぁ。 クラスで一人でいた人。 いつもクラスに一人でいて、誰とも会話しないで、放課後はすぐに下校する。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加