第5章 想いの果てに

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斎藤くんと友達になれてよかった。 きっと、私たちにも斎藤くんにとってもよかったよね? 「真緒、寒くないか」 「うん。ちょっと寒いけど大丈夫だよ」 「そうか……」 そうだ、ここで寒いとか言って手を繋いだりしちゃおうかな。 嫌がるかな……。 「……ね、綾翔」 「ん?」 「やっぱり寒い」 「は? あのなぁ……」 「えへへ。綾翔は?」 「そりゃ寒いけど」 私は立ち止まる。 すると綾翔も立ち止まって振り返る。 「どうした?」 「…………」 私は、少しだけ迷ったけど……別に幼なじみなんだし、昔から手を繋いでたから大丈夫だよね? 私は手を差し出す――
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