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お兄ちゃんはトリュフを受け取り、玄関の方に歩いていく。
お兄ちゃんって、大学は午後からなのに、いつも何処で何してんだろ……。
噂の彼女か――
「あ、蛍行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいお兄ちゃん」
「うん。行ってきます」
うーむ……。
こんな真冬でもわざわざ彼女に会いに行くなんて……。
「ねぇお母さん。お兄ちゃんの彼女知ってる?」
「彼女? あれ、お父さん蛍の彼女って病院の子よね」
「ん? ああ。そうだ」
お父さんは階段を下りながら微笑む。
「あ、お父さん! はいバレンタインデーのチョコ!」
「おお、ありがとう」
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