第5章 想いの果てに

63/94
前へ
/845ページ
次へ
お兄ちゃんはトリュフを受け取り、玄関の方に歩いていく。 お兄ちゃんって、大学は午後からなのに、いつも何処で何してんだろ……。 噂の彼女か―― 「あ、蛍行ってらっしゃい」 「行ってらっしゃいお兄ちゃん」 「うん。行ってきます」 うーむ……。 こんな真冬でもわざわざ彼女に会いに行くなんて……。 「ねぇお母さん。お兄ちゃんの彼女知ってる?」 「彼女? あれ、お父さん蛍の彼女って病院の子よね」 「ん? ああ。そうだ」 お父さんは階段を下りながら微笑む。 「あ、お父さん! はいバレンタインデーのチョコ!」 「おお、ありがとう」
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加