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「じゃあな」
綾翔はそれだけを言って歩いて行ってしまった。
――結構みんなからは明るくてイタズラ好きで、やんちゃなヤツって思われている綾翔。
でも私といるときは、どちらかというとクールなんだよね。
それは良いことなのだろうか。
私といると楽しくないから笑顔じゃない?
それとも、私といるときは素を見せてくれているのかな。
もう少し……笑ってくれてもいいのに。
お話ししてくれてもいいのに。
いつも朝も帰りも、ただ一言だけだなんて寂しいよ。
私は綾翔が見えなくなるまでその場に立ち尽くした。
そして思った。
海の思い出は楽しいものにしよう。綾翔に沢山笑ってもらおう。
もし素が笑わないやつだったとしても、私は素で笑わせてやるんだから。
……と。
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