第1章 最後の思い出

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それから、私は綾翔に電話をして海に行きたい日を何個かあげた。 その中から綾翔が希望したのは8月7日だった。 「お母さんお母さん! 綾翔と海行く時用の水着買って!」 「お金あげるから買ってきなさい」 「え……ひ、一人で水着は恥ずかしいよ……お願い一緒に行こう!」 私は両手を合わせてお願いしたが、お母さんは「一人で行きなさい」と突っ撥ねた。 「酷いよお母さん……!」 「お兄ちゃんと行けばいいじゃない」 「もっと恥ずかしいよ! どこにお兄ちゃん連れて水着買いにいく女子がいるのよ!」 そう言うと、お母さんはいきなり笑い出した。 「大丈夫よ~。お兄ちゃんって呼ばなければカップルだって思われるって」 お母さん……他人事だと思って絶対適当……というか楽しんでるよね。
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