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綾翔の前にチョコの入った包みをつき出す。
「や、やる」
「やる……って」
「ぎ、義理でも友でもなくて幼なじみチョコだから!」
そう幼なじみチョコ!
幼なじみにあげるチョコなんだから!
綾翔の反応を見るのが怖くて、顔を逸らしながら綾翔にチョコをつき出している。
幼なじみチョコだなんて嘘をついたけど、本当は本命だから。
少しだけ時間が経った気がするけど、一向に綾翔が受けとる気配はなく――
あれ……もしかして、やっぱり受け取ってもらえないのかな……。
私は、逸らしていた顔を正面に向けると、ジっとチョコの包みを見ている綾翔が。
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