第5章 想いの果てに

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「どうしたの……?」 「い、いや……えっと……ありがとうな真緒」 そう言って綾翔は、私の手からチョコの入った包みを受けとる。 そして照れくさそうに笑ってくれた。 「ちゃ、ちゃんと味見もしたし。だから美味しさは保証するよ」 「お、おう」 恥ずかしいし、本命だって言えるわけではないけど……。 それでも、受け取って貰えた事はすごく嬉しくて……それなのに。 それじゃ満足出来ないとわかっているから、モヤモヤした気持ちが心の中にある。 「あー……食べてみてもいいか?」 「うん!」 私以外の誰かから、今日はチョコを貰うのだろうか。
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