第1章 最後の思い出

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私には4つ上のお兄ちゃんがいる。 仲良しではあるけれど……水着を一緒に買いにいくだなんて恥ずかしすぎる。 ――そう考えていたら、玄関からガチャっと扉が開く音が聞こえた。 「あ、ほら」 「嫌だってば」 私の言葉なんか聞こえていないかのようにお母さんが立ち上がり玄関の方に歩いて行った。 「お兄ちゃん、真緒が水着買いにいくの手伝ってほしいんだって~」 「……は?」 「ちょっ! 誰もそんなこと言ってないでしょ!」 お兄ちゃんは困った顔をしながら階段を上がって行った。 お母さんは「一人で行くの?」と聞いてきたので、本当は嫌だけと私は「うん」と頷いた。
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