第5章 想いの果てに

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「あ、あの! よければ二人きりになってください。私、もう教室に戻るので」 「えっ、でも……」 「大丈夫ですから! では!」 「あ、おい真緒!」 それに、ここにいたら泣いちゃいそうだし……。 私は、素早くお弁当を片付けて小走りで屋上を出た。 はあ……私がもっとハッキリしてれば……ううん、ハッキリしてたら先輩を傷付けちゃう。 これで、よかったんだよね。 「あれ、河井さん?」 「あ……斎藤くん……」 「どうしたの河井さん。なんかあった?」 「……私、やっぱり諦める」 「え……なにを……」 諦めて、そしてもう二度と綾翔のことを追わないって誓おう。
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