第5章 想いの果てに

91/94
前へ
/845ページ
次へ
そうすればいい……。 そうすれば、きっとみんな何事もなく上手くいくから……。 「河井さん……」 「ごめんなさい斎藤くん……せっかく、せっかく応援してもらったのに……っ」 「……河井さん。教室に戻ろう」 「うん……」 斎藤くんは優しく私の手を握ってくれる。 いつも意地悪をしてくる手だけど、すごく温かい。 「あ、泣かないでよ? 泣かせたと思われたくないから」 「むっ、いつも啼け啼け言っている人がなんですか」 「あはは。そんなこと言ったかなぁ?」 「ふふ、言いましたよ」 斎藤くんのお陰で少し落ち着いたな……。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加