最終章 別れ結びの日

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それはとても嬉しい事で……だけど不意に頭を過る。 その過る思いが、この喜びから深い穴に私を落とすかのような―― 1日が終わるチャイムが鳴り響く。 先生の短めの話が終わり、私たちは掃除や帰り支度を始めて教室を出た。 「帰ろうぜ真緒」 「あ、うん!」 私は鞄を肩に掛けて、綾翔を追うように教室を出た。 私……本当に綾翔と帰るんだ。 「それで?」 「えっ?」 「ホワイトデー……決めたのかよ」 「あ……えーと、正直あまり思いつかなくて……私は別にパフェとかおごってもらえればいいかなーって」 あと……綾翔に何かをしてもらえるってだけで嬉しかったり……。
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