1450人が本棚に入れています
本棚に追加
それはとても嬉しい事で……だけど不意に頭を過る。
その過る思いが、この喜びから深い穴に私を落とすかのような――
1日が終わるチャイムが鳴り響く。
先生の短めの話が終わり、私たちは掃除や帰り支度を始めて教室を出た。
「帰ろうぜ真緒」
「あ、うん!」
私は鞄を肩に掛けて、綾翔を追うように教室を出た。
私……本当に綾翔と帰るんだ。
「それで?」
「えっ?」
「ホワイトデー……決めたのかよ」
「あ……えーと、正直あまり思いつかなくて……私は別にパフェとかおごってもらえればいいかなーって」
あと……綾翔に何かをしてもらえるってだけで嬉しかったり……。
最初のコメントを投稿しよう!