第1章 最後の思い出

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 そう、実は毎年夏休みには遊びに誘っているのに「寝る」だの「ゲームする」だの言って外に出ようとしない。 「夏とか暑いし、クーラーの効いた部屋でのんびりすごしたい」 「綾翔いつもそういう生活してるじゃない」 「“いつも”じゃねぇよ」  綾翔は机にはり付くようにうつ伏せになる。  今日はすごく暑くて、みんな半分バテてしまっているようだ。  もう高校生だし、親がいなくても海とか山へ行ける歳なんだから夏休みを満喫したい。  どうして綾翔はこう……面倒臭がりなんだろう。 「綾翔お願いっ。今年くらい良いじゃない」 「女子誘えばいーじゃん。何故俺に言う」 「私は綾翔と行きたいんだもん……」
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