最終章 別れ結びの日

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「久しぶり?」 「うん……こうやって一緒に下校するの。たまに帰ってはいたけど、下校は久しぶりじゃない?」 なんとなく……たまに帰っていた時と下校って違うんだよね。 なんで違うのかはわからない。 でも……本当、なんとなくなんだけど……違う感じがするんだ。 「ホワイトデーって、なんでもいいの?」 「ああ」 「じゃあ……こういうのでもいい?」 私は、前を向いて歩く綾翔の手をぎゅっと握った。 「――っ、は……?」 「ほ、ホワイトデーのお返し思い浮かばないし……な、何でもいいって言ったのは綾翔だからね……」
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