第1章 最後の思い出

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まだお金も残ってるし、近くの喫茶店にでも寄ろうかな。 食べたことのないメニューがあるかもしれないし。 美味しかったら皆と来るのもいいもんね。 でも一人で入るのは気まず……。 「あ、あれは」 向こう側から先輩が歩いて来るのが見えた。 先輩も私に気付いたようでにっこりと笑ってくれた。 「また会ったね」 「はいっ」 先輩の手には紙袋があった。 いい服が見つかったのかな……。 「真緒ちゃん、この後用事とかあったりする?」 「いえ、特には」 「じゃあ喫茶店にでも寄らない? また会えたし、何かの縁だと思うんだ」 せ、先輩から誘ってもらえるなんて、すごく嬉しい! 私は元気よく返事をすると、先輩は嬉しそうに微笑んだ。
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