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私たちは近くにあった喫茶店の中に入った。
「先輩はよくここら辺に来るんですか?」
「うん、そうだね」
先輩は店員さんが持って来てくれた水を少しだけ飲むと、にっこりと微笑んで言った。
私たちは冷たい飲み物しか頼まなかったので、すぐに出てきた。
「のどがかわいてたから……冷たくて美味しいね」
「はいっ」
それにしても先輩と向かい合っているなんて……すごくドキドキしちゃうな。
私の周りってうるさいバカばかりだったから……なんかこんなに静かな大人って感じの男の子って新鮮かも。
なんて綾翔と斎藤くんに言ったらいじめられそう。
「あ、そうだ真緒ちゃん」
「はいっ?」
「後でアドレス教えてくれないかな」
先輩はまた穏やかな笑顔を見せた。
「も、もちろんです!」
「よかった……」
「私なんかのでよければ何でも教えます!」
「あははっ、真緒ちゃんって何だか可愛くて癒される感じ」
先輩の言葉に一瞬ドキッとした。
か、可愛いとか……。
はじめて言われたかも。
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