第1章 最後の思い出

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「せ、先輩もかっこよくて、癒されます」 「そう? ありがとう」 やっぱり先輩はかっこいい。 なんか本当にドキドキしてきちゃったな。 思えば屋上で見たときから先輩のことが気になってて。 も、もしかして一目惚れなんてことはないよね。 恋愛なんかしたことないから本当の気持ちはわからないけど、ただ先輩は周りと違う。 「真緒ちゃん、そろそろ暗くなってきたし帰ろうか」 「あ、はいっ」 私たちは席から立ち上がり、お会計を済ませて店を出た。 これでお別れ。 なんか寂しいな……次に会えるのはいつなんだろう。 「真緒ちゃんはバスかな」 「はい」 「じゃあバス停まで送るね」 そう言って二人で並んで道を歩いた。 夕焼けがなんだか寂しく感じた。夕焼けはさよならだから。
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