第1章 最後の思い出

59/90
前へ
/845ページ
次へ
バス停まで送ってもらった私は、時刻表を確認する。 あと十分くらいで来るみたいだ。 「バスが来るまで一緒にいてあげるね」 「えっ……いいんですか?」 「うん、それにもう少しだけ話していたいから」 先輩はにっこりと微笑む。 やっぱり先輩の笑顔を見るとドキドキしちゃうよ。 今日一日先輩といただけで、気持ちって変わるものなのかな。 すごく緊張しちゃう。 「真緒ちゃん、夏休み中にもう一度会えないかな」 「えっ!?」 先輩にそんなこと言ってもらえるなんて嬉しい! 「もちろんです!」 「よかった……今度連絡するから、絶対だよ?」 「はいっ」 さっきまでのドキドキが一瞬で消えて、喜びに変わった。 先輩と夏休み中にまた会えるなんて、誘ってもらえるなんて思ってなかったから。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加