第1章 最後の思い出

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そして、あっという間に十分が経ち、バスがきた。 先輩は笑顔で手を振ってくれたので、私も笑顔で降り返した。 バスの中では先輩のことでいっぱいだった私は、知らないうちににやにやしてしまっていた。 これから先輩と何かが起こりそう。 そんな気もしていた。 でも、そんな予感なんか当たらなければよかったんだ。 何もなければよかったのに。 そう思う日が段々と近くなる。 いよいよ綾翔と初めての海へ行く日だ。 新しい水着とワクワクな気持ち。 いろんなものを詰め込んだ夏が始まろうとしていた。
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