第1章 最後の思い出

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私はバスの揺れる心地好さと寝不足から、そのまま寝てしまった。 「可愛いやつ」 小さな声で呟く綾翔の声。 「見つけてみろよ……俺の好きなやつ……」 だけれど、眠りについてしまった私には何も聞こえなかった。 そしてそのままバスは進んでいき、森を抜けて海沿いを走っていた。 「真緒、おい真緒」 「んー」 「海が見えたぞ。ほら、もう起きておけ」 綾翔に起こされて、目を開けると窓の外には小さな波をたてている海が見えた。
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