第1章 最後の思い出

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バスを降りると、潮の香りが漂ってきた。 ついに来たんだ海! 入り口までは少し歩くけれど、ここまで海で騒ぐ声が響いてきてワクワクしてくる。 「早く行こう!」 「ああ」 私は綾翔の腕を引っ張って小走りで海へと急いだ。 女の子の高い声が響く。 近くなると砂浜にはビーチパラソルや水着がカラフルに並んでいるのが見えた。 「楽しそうー!」 「そうだな。よし、真緒競争!」 そう言って綾翔がダッシュしていってしまった。 「え、ずるくない!? 待ってよ、なし! これなしー!」 私も全力疾走で綾翔を追いかけた。
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