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海の近くに寄って、波に足をつけると水は温かった。
「綾翔綾翔! 海です水です泳ぎましょう!」
「ああ」
綾翔はそっけなく返事をして私のところに歩いてきた。
私は綾翔の腕を引っ張って海の中へと進んでいく。
もう片手には浮き輪を装備。
「ひゃーっ」
「……」
反応のない綾翔を見ると、私とは反対方向を見ていた。
「ちょっと」
「……」
「ねえ、綾翔!」
何回呼んでも返事をしてくれないので、綾翔の腕を離しておもいきり押してみた。
「ていっ」
「え、うわ!?」
その衝撃で、綾翔は海の中へと転んでしまった。
まだ浅かったため、綾翔の顔は海から出ていて、その状態のまま私を睨んできた。
「てめぇ……」
「あははっ! 綾翔転んだっ! 真緒を無視するからそうなるんだよ」
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