第1章 最後の思い出

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綾翔はいつものような無表情で私を見ている。 「お世辞でも普通可愛いとか言うでしょ!」 「あーかわいいー」 私は近くに浮かんでいた私の浮き輪を持って綾翔の顔面に押し付けた。 「ちょ、やめろし!」 「綾翔のばか! 真緒頑張ったのに!」 「胸?」 「聞くな!」 私は押し付けていた浮き輪に力をいれて綾翔の顔に擦り付けた。 綾翔が浮き輪から逃れようと避けたとき、私はバランスを崩して綾翔の方に傾いた。 「わっ」 そして、そのまま綾翔に抱きついてしまった。 綾翔の体……温かい。 「ま、真緒……?」 「んー?」 「いつまで抱きついてんだよ……おい」 「綾翔温かいなーって」 綾翔の顔を見ると、ほんのり赤くなっていた。
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