第1章 最後の思い出

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私は頑張って綾翔に追い付くと、手を伸ばして綾翔の髪の毛を掴んだ。 「綾翔ぉ」 「痛い。離せ」 綾翔はふてくされた顔で私を見ると、私の手を振り払ってツインテールを引っ張り出した。 「きゃあああ!」 「連れてってほしいんだろ。ほら、行くぞ」 「最低最低最低! 髪の毛引っ張るとか最低!」 「ほう。さっきお前が引っ張っていたものは髪の毛じゃないと?」 それから足がつくところまで髪の毛を引っ張られて連れて行かれた。 陸にあがると、私たちはお昼をするために海の家へと向かった。 海の家は混んでいて座る場所が空いていなかった。 「立ち食いする?」 「それしかねぇなぁ」 私たちは取り合えず中に入ってメニューを確認した。
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