第1章 最後の思い出

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「うわっ!」 「綾翔、あーんしてくれないと真緒、また抱きつきますよ」 「お前まじないよな……」 綾翔は観念したのか、真っ赤になりながら私を見た。 そして私の持っているホットドッグを一口食べた。 「わーい、綾翔好き」 「お前あとで海に沈めてやるからな」 お昼を食べ終えた私は一先ず…… 「かき氷!」 「まだ食うのかよ!」 「だって、早く食べないと日が暮れちゃうもん」 私は再び海の家に行っていちご味のかき氷を買ってきた。 海で食べるかき氷は美味しい。 「またあーんする?」 「いらねぇ」 かき氷を口につめると、頭がキーンと痛くなる。 それがまた「ああ、かき氷」みたいな感じで私は好きなんだけど、綾翔に言ったらバカにされそうだから言わなかった。
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