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綾翔は一回私を睨むと、両手で水をすくってかけた。
私は綾翔よりも多くなるように水をかけて……と、しばらく続けた。
二人でぷかぷかと海の上に浮いていると、夕暮れが迫ってきた。
空が段々とオレンジになり、海と太陽がくっつきそうなくらいに近くなっていた。
海も藍色からオレンジへとかわる。
ついに念願の夕暮れの海だ。
「太陽大きい……綺麗だね綾翔!」
私はいつものように軽い返事が返ってくるんだろうな。
と、思っていた。
……でも……。
「ああ、綺麗だな」
綾翔がはじめて言った。
私が綺麗だと言うものに対して綺麗だと。
私は嬉しくて微笑んだ。
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