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ジリリリリリリリリリ………
けたたましい音でなり響く時計を叩いて止める
紅華「まだ七時……………」
私こと紅華は時計の文字盤を見てそう呟いたあと、二度寝をするために再度布団にもぐった。だが、カーテンのスキマから漏れている朝日が枕元の左側に当たってかなりまぶしい。だからといってカーテンを閉めにいくほど私は起きていない。
春休みにこんな早くに起きたっていいことなんかありゃしない。夏休みや冬休みのように宿題のない、開放感あふれる長期休暇。二度寝をゆっくりと楽しみたい……
ガチャッ……
しかしこの部屋にはその二度寝を邪魔するものがいる。
紫鏡「……起きろ紅華。朝食が冷める」
私のルームメイトであり剣道部の部長でもある、紫鏡だ。紫鏡は私よりも一つ上で、私ができない料理とかを掃除とかまぁ家事全般をやってくれるいわゆる完璧超人ってやつ。
普段学校があるときは起こしてもらってるし、私もいやいやながら起きている
今日の私は違う!紫鏡が何をしようとも絶対に抵抗してみせる!
紫鏡「……起きろといってるのが分からないのか紅華…」
冷たく透き通るような声で淡々としゃべる
あの調子だと絶対に怒っているはず………だが…私は屈しない!
そう思っていると私の首もとに冷たく鋭いものが当たる…これは……包丁!?
紫鏡「………寝ているならこのまま斬っても構わんか」
紅華「おきてる!起きてるから私っ!!」
飛び起きて紫鏡から距離を開ける
どうやら包丁は背がむけてあり、本当に斬る気はないようだ…いや斬ったらさすがに警察が来るから斬らな……いや紫鏡だったらしかねない……
紫鏡「…なら私の呼びかけに応じろ……飯が冷める」
紫鏡は黒の長髪をなびかせながら部屋から出ていった
紅華「…はぁ……目ぇ覚めちゃったよ」
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