幼馴染み

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クラスに入り自分の席へ着くと同時に始業のチャイムがなった。 「起立、礼!」 「おはよーございまーす」 朝のホームルームの最中、隣りの席の中町未果(なかまちみか)に声をかけられた。 「ねぇねぇ優花。知ってるぅ?」 「ん?何が?」 大きな目に長いまつ毛をパチクリさせる未果は、アイドルみたいに可愛い。当然モテる。肌だって白いし背も低くて小動物っぽい。女のあたしでも惚れそうな位。 「なんとね、ウチらのクラスに転校生が来るんだって!」 転校生?高1の二学期というこの微妙な時期に? 「へぇ、知らなかった。珍しいねー。男?女?」 「男だって。んで、ちょーイケメンらしいよ。沙羅たちが職員室で話してるとこ見たって。」 「へぇ、そうなんだ~」 イケメンねぇ… 大して興味もなかったので軽く返したら、未果に怒られた。 「もぅ~何で優花はそんなに男子に興味持たないの?もしや、蓮クンにラブ?」 未果が手でハートを作って見せる。阿呆か。なんでよりによって蓮? 「ないない。有り得ない。てかあたし、恋とか全部諦めてるし。」 未果の予想をきっぱり否定して、うんざりした声で答える。 「なんでよぉ~まだ高校生活始まったばっかりじゃん!もっとやる気出してよ~」 やる気ゼロのあたしに説得を試みる未果。 そんな事言われてもねぇ… どうせ誰か好きになったところで、付き合うとか絶対無理だろうし… ふいに蓮の言葉が頭をよぎる。 .
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