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はーい!
とみんなが返事をする。
「帰ったら、教科書に名前を書いて下さいね? 明日は学校探検をしますから、教科書は要りません。 筆箱と連絡帳だけを、持って来て下さい」
はーい!
と、またみんなで返事す……1人、してない。
チラリと見えた和泉ちゃん、ナニやらにこにこ笑ってる。
その視線は、和泉ちゃんの左にある窓の外。
何を見ているの?
和泉ちゃんの視線を追って――
「!?」
びっくらこいた!
窓の向こうは、ちょっとしたベランダが有るのだけど、その手摺に、和泉ちゃんと見詰め合う様にして、でっかいカラスが止まってたんだ!
かなりの大物!
この辺りで一番の大きさじゃないかな?
にこにこ笑う和泉ちゃんを、真っ黒なカラスはジーと見詰めてる。
ただ、ジーと。
ふっと、和泉ちゃんの口が動いた。
「3丁目が穴場」
???
なに、それ?
が、カラスは、
「カー!」
と一声鳴くと、バッサバッサと飛び去って行った。
何が、どうなったの?
呆ける僕に気付いた和泉ちゃんが、ニコッと可愛いらしく笑い掛けてきた!
か、可愛い~!
僕のはーとは、メロメロよー!
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