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「まあ、色恋沙汰は他人が口出すものでは無いけど」
キャンディーを机に置きながら、和也は言う。
出してんじゃないか、と巽は益々不貞腐れる。
何度も言うが、顔には一切出ていないが、かなりいじけている。
それが解るのは、この場では和也と光、忌々しい美原の3人のみ。
「まああの2人にも、無条件で学校行事に協力してもらわなければならないが、基本は――」
和也はザッと、皆を見渡す。
「『マスコット』を擁護する事にある」
和也は手短に語る。
① なんぴとも、『マスコット』に悪意を持って近付いてはならない。
② 忠告を無視すれば最悪、退学処分もある。
③ 生徒会・学校側の双方で『マスコット』を護る。
「今の所、学校側と取り決めた大筋はその程度で更に――」
「会長」
スッと手が挙げられた。
文化部長の3年の女子だが、巽は名を知らない。
「何かな、下村さん?」
和也はにっこり微笑み、問い掛ける。
下村と言うのか、そう思いつつ巽は彼女を見据える。
「それは一生徒を特別扱いする事になり、他の生徒から不満が出ると思うのですが?」
尤もだ。
巽も彼女――下村に同感だ。
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