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「手順としては、明日の新入生歓迎会前に『マスコット』の概要を説明し、2人を披露する。 歓迎会終了後に、一応形ばかりの賛否をとる。 出来れば賛成多数が望ましいが、少なくとも決行する。 その直後から、発動だ」
何か質問は有るかとばかりに、美原は皆を一望する。
インテリ鬼畜イケメンに睨まれて、反論する輩はいない。
巽も面倒臭いので、黙っていた。
「反論が無いようなので、役員の総意として発表します。 総意で有る以上、1人でも多く賛同して貰えるように、しっかり根回しする様に」
強制的か!
巽は苦い顔をしたが、やはり黙っていた。
「じゃ、宜しく」
軽く和也が言い放ち、ざわめきが戻った。
「では、本題の打ち合わせに入ります」
司会役の生徒会書記が、思い出した様に口を開いた。
立ち上がっていた者も各々席に着き、明日の新入生歓迎会の打ち合わせに意識を向けた。
巽は、上の空だ。
『マスコット』なんぞ考えてまで雪ちゃんを護りたい、そんな和也の行動に呆れつつも感心していた。
それだけ和也は、雪ちゃんが好きなのだ。
だったら、さっさと告白しろ!
思うが、言えない巽だった。
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