綾乃の場合

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🐤🐤🐤🐤🐤 なんかね、ちょっとね、わかっちゃったの。 いつ、かは覚えてない。 フッと、感じたの。 いつもの様に、わたし達に絡んで来た連中を、わたしが7:雪ちゃんが3の割合で、腕に物言わせて追い払った時に、チクリと感じたの。 誰かが見てるって。 何処から? キョロキョロ辺りを見渡すわたしに、 「綾ちゃん?」 どうしたの、と雪ちゃんが問い掛けて来た。 「何でも無いよ」 そう答えたわたしに、にっこり笑い掛ける雪ちゃん。 その顔が、更に嬉しそうなものに変わった。 「先輩! 巽先輩!」 ブンブン手を振る雪ちゃんの、キラキラ輝く視線の先に、またしても現れたデカブツ! 「2人共、大丈夫か?」 大っ嫌いな黒岩が、親切面して訊いて来た。 「怪我は有りませんか?」 黒岩にいつもくっ付いている小さい……えーと、風紀副委員長も、名前知らない……そう訊いた。 「大丈夫です!」 元気に答える雪ちゃん。 「わたしも綾ちゃんも、無駄に強いですから!」 本当に、ね? 付き合えだなんだと絡んで来る連中を、頑張って追い払っているうちに、何だか強くなっちゃったもんね?
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