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そのままわたしの視線の先を追い、物凄く苦い顔をするちっさい副委員長。
「成瀬、か」
ぼそりと、吐き捨てる様に、副委員長は言う。
「成瀬?」
わたしの呟きに、黒岩が反応した。
「あ? 和也がどうした?」
和也?
成瀬 和也?
あれ?
聞いた事が有るぞ?
「え、生徒会長さんが、どうかされました?」
そう雪ちゃんが言って、わたしも思い出した。
そうだ、生徒会長が確かそんな名前だ。
みんなで見上げる窓には、もう生徒会長の姿は無い。
「相変わらず、か」
黒岩が、雪ちゃんに視線を戻してそう言った。
「この際、とっても嫌ですが、お二方の事は生徒会も交えて、相談するべきですね」
副委員長の提案に、わたしも雪ちゃんも首を傾げた。
「お二方共、腕に自信がおありでしょうが、このままで言い訳が有りません。 いつ不測の事態が起きるかわからないですし、お二方が怪我でもされては、西木戸高校の損失にもなりますから」
そう言って、副委員長はわたしを見た。
わたしよりちっさいから、下から覗き込む様に、だけど。
んと、なんだ?
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