綾乃の場合

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高校は、別。 何かひーちゃん、雪ちゃんと同じ高校行きたくないとか言って、違う高校に通ってる。 だから、この高校でわたしが双子だと知ってるのは、雪ちゃんを含めて同中卒の子だけなのだけど、同中の子達が教えていれば、もっといるかも。 ひーちゃんは、わたしそっくり。 顔も体型も、よく似てる。 でも、考え方は、違う。 わたしの大切な雪ちゃんを、ひーちゃんは嫌っている。 わたしを奪われたから、だから嫌いって。 そんな事、無いのに。 ひーちゃんの事も、雪ちゃんと同じ位大切で大好きなのに。 雪ちゃんも、ひーちゃんを好きだって言ってくれてるのに、ひーちゃんったらそうなんだから。 わたしはひーちゃんも雪ちゃんも、必要。 2人と、ずっと一緒にいたい。 2人はわたしの宝物。 何時までも、一緒に笑っていたい。 でも、気付いちゃった。 何時までも、なんて無理だって。 ずっと一緒なんて、夢物語だって。 ううん、最初から違う路を歩いていたんだ、みんな。 雪ちゃんも、わたしそっくりなひーちゃんも、わたしとは違う路を歩いてたんだよね? それぞれが、それぞれの路を歩いていた。
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