恐るべし、澪人親衛隊!

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 慌てて来た道を戻ろうとすると、澪人の長い腕が、あたしの体をとらえる。 「きぁっ…」  瞬時に抱きかかえられ、澪人の腕に座る体制に。  澪人ファンの視線が槍のように刺さる。  視線がいたいよぉ…。 「俺、この子と付き合うことになったから」  澪人はあたしを抱きかかえたままファンの子たちに向かってそう言う。  えっ!こんなところで大っぴらに言うのっ!?  一瞬びっくりして、それでもって澪人と密着した体が気になって焦る。  だけど、焦ったのは澪人親衛隊も同じだった。 「澪人様っ、一体どういうことですの!」 「澪人いつの間に?」  ファンの子たちが騒ぎ始める中、澪人は猫かぶりスマイルを崩さない。  このときのために、あたしに付き合うフリを頼んだのかこいつは。  しかし同時に同情もしてしまう。    こんなのが毎日だと、さすがのスマイルも、いつかは剥がれ落ちるだろうな。
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